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人間は迷い、そして……選ぶ。『チポロ』『ヤイレスーホ』 菅野雪虫 講談社

ずっと下を向いていてはいけない。 心がからだが、傷つき、しんどくて、一歩たりとも歩けなくても。 涙で、例えば流れる血で、視界が不鮮明であったとしても、前を、空を見上げてみよう。そこには、なにかがあるかもしれないから。 神も、奇跡も、道も、見つけようとしない者には見つけることはできない、決して。 菅野雪虫作『チポロ』と、続編『ヤイレスーホ…
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あの日を思い出しながら、週間朝日を読む

週間朝日の読者層で、どのくらいの年代なのだろう? 今週号表紙の光一さんの目力にやられて、最後の1冊だったのでお持ち帰りした。 光一さん関連の頁の他にも、おもしろそうな記事を読んだ。 読みやすい文章の記事が多い。大好きな数独もあったけど、簡単すぎる。疲れないことを目指してるんだろうか、この雑誌。 演劇雑誌は買わないかも(笑)ありが…
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のっぺらぼうが、季節風春の研究会に参加した。

あなたは季節風むきじゃない。 大好きな作家さんに言われた言葉が心にささったまま、4月21日、中野サンプラザで行われた、季節風春の研究会に行ってきました。 わたしには顔がない。わたしは誰なんだ? 打ちのめされた。 でも、ここから始めればいいのだと思えた。書きたいことがあるのだから。 季節風の秋の大会には、何度か参加したが、春研参加ははじ…
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ゾゾの翼とマルの背中に守られて『マルの背中』岩瀬成子 講談社 2016.9

マルはどこから来たの 小学3年生の亜澄(あずみ)は知りません。 遠いところから来たの わたしの知らないところなの 亜澄の目線は低く、世界はまだ狭いからです。 謎の駄菓子屋の店主に飼われている、白猫のマル。背中の灰色の模様をなでながら頼むと、願いが叶うと言われています。 わたしも、マルを探し、求め続けていたのかもしれません。 …
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食べ尽されたからこその未来『ナイルパーチの女子会』柚月麻子 文藝春秋

共感は、一方通行だ。恋愛と同じ。 こちらが共感したとしても、むこうがこちらにするとも限らない。 ナイルパーチ。淡泊な味わいの、凶暴な肉食の食用魚。 えさになる魚がなければ、友も食う魚、ナイルパーチ。 つい手に取ってしまった青い表紙の『ナイルパーチの女子会』の感想です。 「泳ぎたいな、と思った。」 冒頭の一文に、ひきつけら…
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『桐島、部活やめるってよ』を読んで思い出した私の帝

高校時代「帝(ミカド)」と呼ばれていた男子がいました。 呼んでいたのは女子だけで、本人は知らなかったと思いますが きれいな男の子でした。 最近、勉強会のために朝井リョウの本を何冊か読んでいます。 デビュー作である『桐島、部活やめるってよ』も読み直しました。 神木隆之介さん主演で映画化もされましたよね。 神木さんは、てるひ…
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朝井リョウが、そして、わたしが感じた違和感『世界地図の下書き』

ずっと一緒にいてくれる? 実現不可能な問いかけであり、願い。 答えがほしかったわけじゃないのかもしれない。 逃げたっていい。むしろ、逃げろ。 『世界地図の下書き』の表紙は、綺麗で、あまりにも悲しかったので 朝井リョウが感じた違和感に寄り添ってみました。 物語の主人公、太輔は、交通事故で両親を1度に亡くし 子どものいない…
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友だちになってはいけない『密話』石川 宏千花 講談社

メアリーは、幸せだったと思います。 メアリーを見つけてくれたマミヤくん。 誰も見つけてくれなかったなら、いないのと同じ。 見つけてはじめて、そこに存在する事ができる。 マミヤくんは、名前もつけてくれたのですから。 大好きなマミヤくんのために…メアリーは行動をおこすのでした。 石川宏千花作『密話』の感想です。良かったらぜひ。 …
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約束を守るために『永遠の0』試写会 vol.2

守ることが、とても難しい約束でした。 妻と約束することで、自分自身を奮い立たせていたのかもしれません。 約束した時点では、実現可能な約束だったかもしれません。 でも、戦局は悪化して、そして… もう少しだけ、映画『永遠の0』の感想を原作も引用して書こうと思います。 『永遠の0』試写会 '13.12.2の続きです。ネタバレを含みま…
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生きているだけでいい…『晴天の迷いクジラ』窪 美澄 新潮社 2012

人生は君が思ってるよりずっと短いよ。 自由に動ける時間は、もっとずっと短い。 きれいなものを見ると、あと何回こんなきれいなものをみられるかな …と思ったりもする。 だったら。見たいと思うものは、なんでも見ればいい。 『晴天の迷いクジラ』を読んで、生きているだけでいいんだという事を 再確認しました。生きる事に疲れたら、そう…休…
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サッカー中継見ながら、生存報告してみる。

久しぶりに(苦笑)本が読みたい期が来た。 予想以上におもしろく(失礼)ハマってしまった、月9のせいかもしれないし 久しぶりに宮部のミステリを読んだせいかもしれない。 本を読みながら思ってしまうのは、2月5日(火)に見てきた舞台のこと。 まさに衝撃だった。見たいと思ったものがそこにあった。 だからこそ、残念に思った事もあった。 …
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守るという事を考えた『パーフェクト・ブルー』宮部みゆき 

好きな色は?…と聞かれれば、迷わず「青」と答えてきました。 空も海も、空気も…大好きなものは、みんなあお。 いろんな表情を持つ青が好きでした。この本を読むまでは。。。 大好きな作家の作品なのに、なぜか読んでいなかったこの本は 氏のはじめての長編作品だそうですね。 今から20年以上も前に書かれた『パーフェクト・ブルー』の感想文で…
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空はつながってる…『チョコレートと青い空』堀米 薫 そうえん社

知らないことが1番の敵。 故意に隠されてる事もあるけれど、知ろうとすることが大切だと思う。 久しぶりのblog。しかも、本の感想を書くの2年ぶり?もっとかもしれません。 2012年、小学校中学年の部課題図書に選ばれた『チョコレートと青い空』 読み終わった時に、空を見上げたい、無関心ではいられないと思った。 そんな1冊でした。 …
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どこから来て、どこへ行くのか…『ふたりのイーダ』松谷みよ子

人はどこから来て、どこへ行くのか… モノにも魂は宿るのか… 毎年、8月がくるたびに読み直したくなる本が何冊かあります。 8月6日は、広島 原爆の日です。 原爆の日当日は、被爆ピアノの絵本を読み直しました。その感想は、 祈りの音色、永遠に 絵本『ヒロシマのピアノ に書きましたので、 今回は、松谷みよ子作『ふたりのイーダ』の感想…
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自分を見つめる場所『華花さんのあたらしい家』田中 良子

好きなことを見つけないと、もったいないよ 好きなこと?てるひの好きなことは、泣くこと、寝ること、お散歩。 でも、どれも人間に生まれなくてもできたかもしれないな。 自分を見つめることは、そこに行かなくても、できますか? 『華花さんのあたらしい家』田中良子 作 三村久美子 絵 ポプラ社 2009.9 まやのことを、ママよりわか…
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言葉が刃となり、全てを切り裂く 湊かなえ『告白』

告白。真実を告げると、その相手にこの上もない幸せをもたらす場合と 地獄へと突き落とす場合とがある。 この物語に登場するAとB。少年Aと少年Bは、聖職者であるこのひとの告白を聞いて、ひとりは天国へ、もうひとりは地獄へと突き落とされた。 第29回小説推理新人賞を受賞した「聖職者」に、視点の違う短編を加え、出版した、湊氏のはじめての本。…
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みんなだいじな部品です『ぐるんぱのようちえん』西内ミナミ

子どものころ大好きだったぐるんぱと、2回めの再会をはたしました。 とっても大きなぞうのぐるんぱ。 今。絵本のキャラクターショップで、ぐるんぱのぬいぐるみは大人気らしい。 ひとりぼっちのぐるんぱ。はじめて再会したのは、2000年でした。 そ…ドラマの中で。絵本を持っていたひとが言ったセリフ 「いらない部品はありません…」 そう…
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さわやかな風が吹き込んだ『幸子の庭』本多 明

庭。幸せや思い出、自分だけの誰にも触れられたくない気持ちを隠したり、 宝物を誰かと共有して、何倍にも増やし、育てる場所でもある。 幸子の庭には、どんな思いがつまってるんだろ。隠されてるんだろ? 曾おじいちゃんが、曾おばあちゃんと暮らすために作れらた家と庭。 長い年月、ひとを、暮らしを、悲しみも幸せも見てきた庭。 伸び放題の木は…
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きれいで…壊れそうなものばかり『リリイの籠』豊島ミホ

きれいなものは壊れやすい。キラキラ輝く汗や涙、友情も友だちも。 掌で受け取ろうとしても、指の間からこぼれ落ちてく。 大切に受け止めて、一時はしゃいだ後…わざと壊したりもした。 ひとは…変わらないものには心惹かれたりはしない。 だから。誰かを好きになるし、夢を集めようと躍起になる。 人との距離を図りながら、時に距離の取り方に失敗…
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ずっと…という言葉の重み『私の男』桜庭一樹

いつか王子様が… 白馬に乗って、わたしを迎えに来てくれる。いつかきっと。 その王子様のために、わたしは悲しみを引き受ける。 それができるのは、わたしがあなたのおかあさんだから。 私=花の男=淳悟は、おとう(義父)さん…。 罪と呼んでしまうのは簡単だけど、そうさせない何かがありました。 直木賞を受賞した、桜庭一樹「私の男」 …
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お前しだいだ『鬼の市』

節分の夜。健太の家では、豆まきをしません。 しないどころか…毎年の節分には、鬼を迎える家でした。 鬼様をお迎えして、ごちそうでもてなし、 次の朝、家と村中の病気や災いを持って行っていただく。 もうすぐ6年生になる健太は、お迎えした鬼の影を見た…ような気がしました。姪のしおりも見たらしい? ねえちゃんは、うちの先祖は鬼だと言うし…
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観客にならない為に『ジャック・デロシュの日記-隠されたホロコースト』

自分が自分でないような錯覚にとらわれる事ってありませんか。 わたしは、喜怒哀楽、苦痛などの状態が続くと、そんな妄想にとらわれる事があります。 そんな時も、時が経てば、わたしを取り戻せる。 でも。その極限状態を大きく逸脱する空間に長く置かれたとしたら 人は、自分を、自分の心を守るために、無関心でいる道を選ぶかもしれない。 ジャッ…
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ゆっくりでいい…『あなたの呼吸が止まるまで』島本理生

お母さん、わたしの手はそんなに汚れてる? なんでだろう。一生懸命、洗ったよ。洗ったけど、落ちない…の 手がきたないから?だから、わたしをおいて行っちゃうの、ね、お母さん。 お母さんが家を出てから、朔は、舞踏家のお父さんと二人暮らしです。 12歳。自分のことだけに一生懸命になっていればいいのに、 朔は、家のことをしたり、お父さん…
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千里眼、才能、そして自由『赤朽葉家の伝説』

赤朽葉家は、製鉄業で財を成した、山陰地方の旧家です。 戦前戦後、昭和、平成の時代に生きた、赤朽葉家3代の女性の物語です。 この本を手にとられた方は、赤朽葉の装丁に、はっとされる事でしょう。 千里眼奥様と呼ばれた万葉、不良少女から漫画家へ転進した毛毬。 そして。本書の語り手でもある、何者でもない…瞳子。 3代の女性たちを取り巻く…
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自由と孤独 『そして私は一人になった』山本文緒

子どもの頃から、本が友だちだった。 空想の世界には、王子様もいるし、いじめっこをやっつける魔法もある。 あの頃から、おひとりさまが好きだった? 好きだった訳じゃない。ひとりに慣れっこになってしまっているだけ。 家族ができた今も「ひとり」と言う言葉には、過剰反応してしまう。 だから、この本も読んでみようと思ったのかもしれない。 …
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言葉とは魂だから『鹿男あをによし』万城目学

6月。お台場でライブが行われていた頃、この本の事を知りました。 片思い中(笑)のBlogさんに紹介されていたのですが、 鹿!サンカク??? 鹿男=鹿の王子にサンカクとくれば(笑) そして。言霊。言葉に魂は宿る。歌にこめられるメッセージ。 不思議な符合にときめいた。 「鹿男あをによし」The fantastic Deer-Ma…
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俺の走る道 『一瞬の風になれ 3-ドン-』

イチニツイテで始まり、ヨーイで悩み、ドンで真実のスタートを切った新二。 陸上選手として、人として。これからいろいろな事を経験してくンだろーな。 青春をかけて打ち込める事に出逢えた新二と連。 意識し、刺激しあい、一緒に走り続けたいと思ったふたりの物語の完結編。 『一瞬の風になれ 3-ドン-』佐藤多佳子 講談社 2006 これ…
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いつも前を向いて 『一瞬の風になれ 2-ヨウイ-』

自分の能力の幅。最低から最高まで。その1番上が見えないのがいい。 中学まで打ち込んできたサッカーに限界を感じ、高校から陸上を始めた新二。 最初の夏を描いた、1-イチニツイテ-に続く第2巻。 天才MFの兄・健一と、天才スプリンターの連。 すぐ近い場所にいるふたりの天才は、新二にとっては、全く違う存在でした。 『一瞬の風になれ2-…
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祈りの音色、永遠に 絵本『ヒロシマのピアノ』

今年も8月が来ました。 ヒロシマ、ナガサキに原爆が落とされ、そして、8月15日、終戦。 終戦から62回めの夏。広島で被爆したピアノの物語が絵本になりました。 わたしの故郷・浜松で生まれたピアノ。もしヒロシマに行っていなければ みさちゃんの家に行っていなければ、違う運命を辿っていたかもしれません。 わたしの音色、あなたにとどけ!…
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生き抜く為の約束…『聖餐城』皆川博子

ひとは、生きていくための目標を探す。夢を見つけ、夢になろうとする。 自らの尻をたたくために、約束をする。 約束…相手のためではなく、自分を奮い立たせるための。。。 馬の腹の中に入れられ、捨てられたアディと、錬金術で生を受けた?イシュア。 このふたりが生きたのは、1600年代前半、ドイツ30年戦争の時代。 ふたりと、長い旅をした…
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