自分らしく、幸せのために闘う。 チョコレートドーナツ 20.12.28 マチネ

any day now
実話をもとにした……という映画があるのは知っていたけれど、見ていませんでした。
はじめて舞台化されたという「チョコレートドーナツ」を見てきました。
マルコが可愛かった。
東山紀之さん演じるルディの歌が、心に響きました。
12月28日の昼公演、ネタバレしていますが、さらりと感想を残そうと思います。

PARCO劇場は、正方形に近い感じのするハコでした。改築されてから行くのは、はじめて。傾斜もあり、見やすかったです。
下がった幕に、チョコレートドーナツの絵と「any day now」の文字。
幕が上がり、谷原さん演じるポールが語り始めます。
これ、あかん流れだ。
棒立ちになるおとなたちに、ピンスポが当たり、この人たちに訴えっているようでもありました。
「ゲイのカップルに育てられた少年がいた」だったかな。”いた”。過去形でした。

場面が変わり、ショーパブのシーン。
歌っているのはルディ。長髪で、露出度の高い服を着こなす東山さん。
ゲイバーですね。
ステージの使い方がおもしろく、最初は、客席にまっすぐ向いていました。
場面によっては、少し斜めになったり、前に出てきたりもしました。

ポールは、ショーパブに来たお客でした。
ルディの歌とショーに、ルディ自身に魅了され、彼を誘います。
ルディも、ポールを好ましく思い、仕事終わりのデートを承諾します。

下手から、舞台途中までひいて、狭いスペースでお芝居を進めたり、ライティングで廊下に見たり。おもしろいなーと思いました。

幕の後ろで、ショーパブからルディの家へとセットチェンジ。
谷原さんは、服を脱がされてました(笑)
ルディの隣の家には、薬物中毒の女と息子のマルコが住んでいました。女は逮捕され、ひとりぼっちになったマルコを、ルディとポールは保護しました。

マルコはダウン症を患っていて、少し生きづらい少年ですが、見る人を幸せな気持ちにする笑顔の持ち主でした。
やさしく、賢く、可愛い。
その夜、マルコは、警官(かな?)につれていかれてしまいます。施設に入れられるようです。ルディが「地獄」と嘆く保護施設に。

母の服役中、マルコの監護権を得ようと、ポールが立ち上がります。
ポールは、結婚してたこともあり、ゲイなのかよくわからないけど、ルディが大好き。
この時代、同性を愛するということは、色眼鏡で見られ、人権がないかのように扱われていたようですね。
ふたりは、従兄弟同士だと偽って、マルコの監護権を勝ち取ります。
でも、長くは続かなかった。

家族を大切にするルディ。マルコのためと嘘をついた事は、ルディの心を追いつめます。ただ……正直に生きたい、大好きな家族と過ごしたいだけなのに。
最初、正直すぎるルディの行動を理解する事は、難しかったです。東山さんの演技は素晴らしく、振り切れていたし、寄り添いたいのに、ケチなわたしの常識が、真実を隠してでも権利を勝ち取ろうとするポールを応援してしまいました。

ポールは法律の専門家。裁判は勝つことが全て。マルコと家族になるためには、小さな隠し事は、いたしかたないと考えていた。

ハロウィンパーティの日。ポールの上司の家に、女装して現れたルディ。そこから、ふたりのやさしい嘘が崩壊していく。
上司も、ポールのことを思ってたとは思います。
でも、裁判は、ひどいものでした。

マルコにとっての幸せ。マルコが望む家族は? 家は? 大切なことは置き去りにされます。
ゲイのカップル、しかも女装までするルディに、マルコは託せない。
母親の出所を早め、マルコと暮らすことを主張させる。なんらかの取引があったことは見え見えですが、血のつながりには勝てませんでした。

ありのままの自分で生きることの難しさ。
置き去りにされる弱者。
正しい道ってなに? どこにある?
ルディの心の叫びを全身で表現する東山さんに、涙が止まりませんでした。

やっと歌手としても認められる日がきたのに。
生バンドを背負って歌う。感動でした。

マルコは、ほんとうの家、ルディとポールのいる家に帰ろうとします。
寒い、寒い中を歩いて、歩いて。
行方不明になってから3日め、橋の下で、凍死したマルコが発見されます。
ハッピーエンドのお話をしてほしいと、ルディにせがんでいたマルコ。
悲しい結末ではありますが、マルコは、幸せの場所を知っていました。その場所を目指して、自分の足で歩いた。すごいと思った。

タイトルの「チョコレートドーナツ」は、マルコが大好きな食べ物です。夜に食べると身体に良くない。そう言うルディは、ほんとうに良きパパですよね。
劇場で、チョコレートドーナツを売っていました。食べたかったけど、セット売りだったので、あきらめました。一個ずつ売ってほしかったなぁ。

この物語は、実話を元にしているそうですね。
マルコには、生きて、幸せな家で暮らしてほしかった。幸せは他人から決めつけられるものじゃない。マルコ自身が感じるもの。

いろいろ考えさせられる舞台でした。
正直に生きることは難しいけれど、でも頑張って正直に、ハッピーエンドに向かって歩こう。

見に行くことをあきらめかけた舞台ですが、見られて良かったです。映画も見ようと思います。
2020年のてるひ的ベストステージです。
振り返って、覚えておきたいだけの感想文に、最後までおつきあいくださり、どうもありがとうございました。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

かわいい

この記事へのコメント