守るべきものと悲しい約束 SANEMORI 2019.11.6

お友だちに誘っていただいて。はじめての海老蔵さまのABKAI、シアターコクーンで観てきました。
ABKAIは、今回がFINALですが、歌舞伎というより、スーパー歌舞伎かミュージカルなのかと思っていました。
11月6日、初日があけたばかりのSANEMORIに、まんまとだまされました。
歌舞伎もよくわからず、キャストの誰かに寄り添うblogではありません。しかも、ネタバレしていますが、良かったらぜひ。

海老蔵さんは、3役をこなしていました。見落としてたら、すいません。
パンフも手元になく、1回だけの観劇で、歌舞伎も久しぶり。Snow Man のふたりのことも、最初、どちらがどちらかわかりませんでした。

オープニング。舞台上には、きれいな若武者がふたり。
木曽義仲と、義仲の1の家来の太郎吉(幼名)。
義仲を演じているのが宮舘くんのはず。
太郎吉が阿部くんですね。
このふたりが、昔を思い出すようなかたちで物語は進みます。
小さな太郎吉も可愛く、りりしかったです。

シアターコクーンは、上手、下手の通路を、花道として使うことを考えて作ってるのかな?
SANEMORI でも、かなりの頻度で、誰かが旅したり、帰ってきたりしていました。
この日のお席は、舞台も、花道も見渡せて、良かったです。

一幕で圧巻だったのは、海老蔵さん演じる木曽義仲の父、木曽義賢の最期です。
迫りくる敵の数、密度を、雨戸ほどの板(ふすま?)で表現していました。使われた板は3枚。
逃げる義賢は、敵に囲まれます。
板の2枚を立て、その上に、1枚、板をのせると、義賢の姿が、その板に乗って、迫り上がってくるような演出でした。
敵にひとりで立ち向かう義賢。斬られても、斬られても、立ち上がります。鬼神のよう。迫力ありました。
逃げきれず、ばたりと倒れます。落ちてないけど、階段落ちを連想しました。すいません。
身重の北の方を残し、平家討伐という道半ばでの無念の死でした。
表情が、ほんとすごかったですね。

義賢の最期をそばで見ていた、太郎吉と母、そして、祖父は、身重の北の方をかくまうことに。

それから、白い旗を守ること。
最初、不勉強のため、この白旗の意味がわからなくて。命をかけて守るべきものなの?と思っちゃいました。
源氏の御旗ですよね? 平家討伐の印。
義賢は、北の方に渡すようにと、太郎吉の母に源氏の白旗をたくします。
白旗を持って逃げた太郎吉の母は、琵琶湖かな?に落ちたところを、平氏の船に助けられるんだけど。
実盛に腕を斬られ、自らも、湖の藻屑と消えました。命は助からなかったでしょう。

実盛は、なぜ腕を切り落としたんだろう。
太郎吉の母から、白旗を奪い取るのは難しくなかった気がします。
そうか。三種の神器とともに海に沈んだ安徳天皇と同じなのかな?
源氏の白旗を、平家に奪わせないためだったのかなと合点がゆきました。

海老蔵さんのこだわりは、すごかったです。
小唄や太鼓などの演者も、きちんと配していて、臨場感がありました。
床をたたく効果音も、舞台を盛り上げました。
セリフはわかりやすく、物語において行かれる事はありませんでした。敷居の高い歌舞伎を、身近に感じられる。そんな、舞台でした。

幕間には。太鼓の競演もありました。
太鼓って、胸に直線響くんですよね。響くし、降ってくる感じ。

白い布が巻きついた棒をしっかと持った片腕が、魚の網にかかり、太郎吉が持って帰ってきます。
えぇー?だよ、まぢ。
母の腕だよ。悲鳴を上げそうになっちゃいました?
そして。平家の追手がせまります。義賢の北の方が産む子どもが、男子だったら、成敗しないければなりません。
機転をきかせ、隠し通すんだけど、母の腕を斬り落としたのは実盛だと、太郎吉にもわかってしまう。
太郎吉に、いつか討たせてやると言う実盛。
カッコいいんだけど。悲しかったです。

北の方は、男の子を生みます。木曽義仲です。
太郎吉は、義仲の家来になるわけですね。
回想が、義仲と太郎吉の今に追いつきます。
平氏との戦いで、大将格の、髪も黒々とした武将の首をとった太郎吉は、義仲にささげます。
それが。。。
髪を黒く染めていた実盛でした。
実盛は、若い世代に時代を託したかったのでしょうか。

物語としては、源氏の白旗を敵の手に渡さないためとは言え、母を死にいたらしめた実盛を、太郎吉が討つというドラマティックな流れでした。
でも、義仲も太郎吉も、実盛を悪くは思ってないし、討ちたいとも思っていなかったでしょう。
姿を変えて、太郎吉に討たせた。
悲しい最期でした。

ただ討たれるシーンがなかった(と思う)ので、海老蔵さんの芝居としては、義賢の最期の方が印象的だし、見応えがありました。

戦に勝ったからだったけ?
追討のシーンだったかうろ覚えですが、義仲も太郎吉も、大勢の出演者を伴い、花道となる客席通路を練り歩きました。
義仲の宮舘くんが、すぐそばに。
きれいな若い武将でした。

守るべきもの。気持ちとか、気概、象徴は、命より大切でしょうか。
全力で守るべきものかもしれませんが。
でも、命より大切なものなんてない。
そんなことも思った舞台でした。

女形の美しさ、踊りのたおやかさ、形式美。美しく、あるいは、強く、大きく見せる技。すごいものをたくさん見せてもらいました。
楽しかったです。

カーテンコールで、宮舘くん、阿部くんは、武将姿で、ほんの一差し踊りました。
海老蔵さんの粋な計らいでした。
カッコ良かったです!

覚えておきたいだけの観劇日記に、最後までおつきいくださり、どうもありがとうございました。

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