向き合うということ 新世界ロマンスオーケストラ 17.5.19昼

自分色の花を咲かせるためには、どうすればいいのか。
ほんとうに必要なものは、何なのか。。。
目の前に示されたものが、一見、綺麗であればあるほど、人は迷い、心にふたをし、ほんとうに大切なものからも、目をそらそうとする。
5月19日(金)、新世界ロマンスオーケストラを観てきました。
一度きりの観劇で心に残ったことを書いています。
ネタバレしていますが、良かったら、ぜひどうぞ。

お友だちから「まっさらな気持ちで見て」と言われ、ネタバレを読まず、登場人物の名前だけを教えてもらい、東京グローブ座に向かいました。
彼女 玲奈
元カノ 志保
マネージャー そら
アイドル 美海
女中 ランランとファンファン
バンドメンバー 谷澤
拓翔さん 
第一印象では、登場人物が多いなぁ~ということと、彼女の名前だけ、普通で、少し異質だと思ったこと。それから、昭和を生きてきたので(苦笑)女中さん、ランランとカンカンじゃないのね。ってことでしょうか。

ネタバレNGな舞台と言われた時に、Endless SHOCKという舞台を思い出してしまいました。セカロマも、主人公が死んでいる物語なのかと思ったと、お友だちに言いました。
拓翔さんがまとう”現代”ではないなにかが、そう思わせたのかな。
一幕もののストレイトプレイで、それはないかな~と思い直したけれど。

舞台のポスターの赤い薔薇が、綺麗すぎて、レトロな感じがして、昭和の物語だと思っていたり、拓翔のポージングに目がいってなかったことなど。勘違いと、見ていない=存在しない......のよくあるパターンで、文字通り、ほぼまっさらな状態での観劇となりました。

WSで、ふたつ枕のあるベッドにダイブするシーンを見ていましたし、イケメンでバンドのヴォーカルである拓翔が、女性にもてることも、行状がよろしくないだろうことも予想はしていました。
開演直前、最前列の方たちに、なにか配っていました。
拓翔の部屋は、広いワンルームで、プールもあるんですね。
え?水しぶきが飛ぶってことですね?

メジャーデビューが決まり、デビュー曲をひねり出したものの、イメージからかけ離れた、どこかで聞いたような曲に納得がいかない拓翔は、必死に曲作りをしていました。
下手奥が仕事場になってるのね。
そこから遠い、遠い(笑)上手のソファーに座っている女性。
拓翔のカリカリした雰囲気とかけ離れた空気のこの女性、最初は、元カノの志保なのかと勘違い。だって、拓翔さん、曲作りでギリギリなのに、別れ話を始めるし。でも、志保という名前と雰囲気あってないな~と思っていたのでした。

彼女は、拓翔のことを運命の人だと確信しているようで、別れを切り出す拓翔が本心じゃない、別れないと言い募るのですが、修羅場とはこーだろうってことで。フラれて当然~くらいに思ってしまう汚れた心の持ち主・てるひ。

どーにかこーにーか彼女を家から追い出した拓翔は、志保を呼びだします。
”Aメロの女 志保”と舞台の壁に映し出されました。
志保?元カノだ。
......ってことは、運命ふりかざし、きゃんきゃん、拓翔にかみついていたのは、彼女の玲奈なのね。彼女の説明、見落とした?~は、おいときましょう。
志保は、できる女って感じですね。元カノであり、元マネージャー?
マネージャーにも手を出す、節操なしな拓翔さん。

Aメロですね、拓翔さん。
女性と情を通じ合うと、メロディが降りてくる、ひらめくらしいですね。

そう言えば......彼女の玲奈と一緒にいても、メロディが降りてこず、全く曲が書けなくて、似合わない曲『クワガタムシ』なんて歌を作っちゃう、パクっちゃうしかなかったって話をしてましたね。それが、別れの理由のようでしたが。。。

次にやってくるのが、”Bメロの女 そら”
泣いてばかりいる子ねこちゃんじゃなくて、拓翔よりずっと年上で、そこに引け目を感じてもいるマネージャーです。
いじらしくて、かわいいけど、か・な・りウザい。
そらをなだめる拓翔の、赤ちゃん?そらちゃん言葉が可愛かったです。
現マネとも通じ合ってるらしく?Bメロがひらめくわけですね。

マネージャーが帰った後、クローゼットから出てきたのが小柄な女性で。
”サビの女 美海(だったかな?)”アイドル・美海。
拓翔は、美海のオッカケするほどのファンだったようですね。バンドやることで、お近づきになれたのかな?
自分が望む、アイドル像から、美海がかけ離れていくのがイヤみたいで。きわどいグラビアの仕事はしてほしくない~と、ダダをこねる拓翔が、可愛いかったですね。
この子とも、通じてるらしい。しかもサビだからね。

”間奏の女 女中のランランとファンファン”
拓翔さん、メジャーデビュー前なのに、メイドさんを雇う財力があるのね。。。しかも、ふたり~と思ったら、ファンファンは妹で、リストカット癖があって、目をはなせないから連れてきてるみたいで。
間奏の女たちとも、姉妹(血はつながってない)とも、そーゆー関係になって、曲が完成に近づいていくわけですけどね。

唯一のバンドメンバー谷澤。オカマなんですね。
拓翔のために、全ての楽器をひとりでこなしてるって胸をはるけど、この人がメンバーをクビにしちゃったらしい。レコーディングは良いとしても、ライブはどーする状態。
堂本光一さんのソロ曲『The mAsque』のようなものですか?

拓翔は、関わりを持った全員と、映画館デート、しかも同じ作品を見る~という暴挙に出ます。その様子を、写真週刊誌(?)に売られたらしく、窮地に......
いったい誰が? あやしいのは玲奈ってことになるけど、実は......

このオカマさん、煎じ詰めると、拓翔が好きだったのね。
で、刃傷沙汰に。
自分も刺し、無理心中を図るという。
そういう愛し方は、認めないけどね、てるひは。

なんか意味あるんかい~とツッコミながら見ていた、拓翔の部屋のプールですが、やっと腑に落ちた。
三途の川の意味があったのね。
谷澤は、ライバル達が追ってこないうちにと川を渡ってしまうけど、拓翔は、川の手前で悩みます。

なにその設定?と思ったファンファンのリストカット癖が、ここで役立ち、何度か臨死体験をしながら、拓翔を引きとめにかかりますが、うまくいかず、元カノたちが、彼の元へ行くという、なんともありえない(苦笑)な暴挙に出ます。
最後の最後に、玲奈が説得に行くことに。そこで、ふたりは、いろいろ話し、1年後、会おうという約束をします。

そう! オーケストラだってことを忘れてました。
ポスターの拓翔がふっているのは、タクト。指揮者ですね、拓翔は。
拓翔が心を惹かれた女性たちは、音を持っていました。
並べてみると音階になるんですよね。。。
ドレミファソラシドの♪ド♪だけいないンです。
1音なくとも曲は作れるという意味にも取れますね。

クリエイターは、なにかひとつ使わないものを作るとイイ~と言われたことがあります。物書きとしては、テーマとかシチュってことですかね。デザイナーは色とか。。。

ドの音は、谷澤の名前にあったのですが、彼が黄泉の国に持ち去ってしまいましたからね。
拓翔が、作曲に♪ド♪を使わなかったのかはわかりませんが、彼の望んだ道を、一歩一歩、歩くことができたことだけは確かだと思います。

1年だけど。
玲奈が訪ねてきます。約束を忘れませんでした。
もちろん、拓翔も。

拓翔は、境界線上で、ほんとうに大切なことに気づき、玲奈とは運命の恋であると認め、受け入れることができたから、生き直すことを許されました。
生まれ変わる。とても難しいことですが、人はだれでも、本気で自分と向き合った時、生まれ変わるチャンスのしっぽをつかめるのだと思いました。
大切な人と真剣に向き合う勇気も持てるのだ......とも。

新世界ロマンスオーケストラは、コメディです。
強引な展開も笑いに変えて、がんがん突き進む。
聞き分けの良すぎる元カノたちに、首を傾げてしまったけど、見め麗しさと才能にひかれただけだったと気づいたってことですか?
拓翔さん、ダメな男でしたからね、生まれ変わる前は。

おもしろくて、おもしろくて。じんわりきて、あーだこーど考えた。
楽しい舞台でした!
人はみな指揮者です。自分の人生というオーケストラに、どんな演者を選び、どんな音楽にまとめあげていくのか......それは、自分次第。。。

観劇できた感激と感想を覚えていたいだけのブログに、最後までおつきあいくださり、どうもありがとうございました。