『桐島、部活やめるってよ』を読んで思い出した私の帝

高校時代「帝(ミカド)」と呼ばれていた男子がいました。
呼んでいたのは女子だけで、本人は知らなかったと思いますが
きれいな男の子でした。

最近、勉強会のために朝井リョウの本を何冊か読んでいます。
デビュー作である『桐島、部活やめるってよ』も読み直しました。
神木隆之介さん主演で映画化もされましたよね。
神木さんは、てるひ注目(好きってことね)の俳優さんなのです。

この作品には、桐島は出てきません。
バレー部の部長だった桐島が、部活をやめる事によって
クラスメートや友だちに与える影響を、オムニバスで綴っています。
部活をやめる。
高校生にとっては、大きなことだと思います。
社会人にとっては、会社を辞めることに匹敵するかもしれません。

この本でも出てくるヒエラルキー、スクールカースト。
てるひの中学、高校時代にももちろんありましたが
それと認識していなかったし、スクールカーストなんて言葉はなかったか~と。

上と下。たくさんのまんなか。
てるひ自身は、まんなかだったはず(笑)

桐島も彼の親友たちも、ヒエラルキー 上に属しています。
上の人たちは、上としかつるみません。
桐島の彼女も、桐島の親友の彼女も、もちろん上。
この物語の登場人物のほとんどが、桐島の○○で、
みんな桐島とつながっていますが、映画少年の涼也は違っていました。
クラスメートかな? その位の薄いつながり。
涼也は、映画ヲタク。地味で運動神経も良くなくて、
最下層のヒエラルキーに属していました。

『桐島、部活やめるってよ』の桐島は、男子ヒエラルキー最上位に君臨してた
…とうい事になるのでしょうか。
その桐島の部活をやめるという行為が、他人に影響を及ぼすのですから。
物語に登場しない桐島は、作者自身とも言えるかもしれませんね。

てるひの高校の帝ですが、
古典の授業で『源氏物語』をした時に、その呼び名がつけられました。
きっかけは忘れましたが(笑)
帝こと、ヤマダナオキくんは、成績は良かったけど、目立つ存在ではなく
背も高くはなく、帝だけど、スクールカーストでは、下に属していました。

逆に、スクールカースト最上位に属していた男子は、タカヤナギくん。
サッカー部のエースで、カッコよくて。勉強は普通。
彼女は、準ミスうちの高校。
タカヤナギくんは、高校時代の希望通り、高校の体育の先生になりました。
ヒエラルキー上に属していた男子は、ほとんどサッカー部だった気がします。
みんなカッコよくて、ちょっとチャラくて、目立っていました。

帝は、なぜか進学はせずに、ペンキ屋さんになりました。
なりたいから……と。
なりたいものがなくても、進学するのは当たり前だと思っていたてるひは
ものすごいショックを受けました。
もちろん、わたしが知らないなにか他の理由が、帝にあったかもしれませんが。

てるひにも、ボーイフレンドがいました。
バンドをやっていて、学園祭などでは、必ずステージに立っていたヨシヒサくん。
てるひには、子どもの頃からの夢があります。
その夢は、努力がたりなくて、今も夢の途中ではあるけれど。
担任の先生に「将来は、なにになりたいのか?」と聞かれ、真剣に答えると
一緒に聞いていたヨシヒサくんは、てるひの夢を全面否定したのでした。

映画化された桐島~では、主役は、ヲタクの映画少年・涼也でした。
その対局にいる桐島の親友・宏樹が、準主役かな。
桐島の親友の宏樹は、練習サボっているのに、部員の誰よりも野球がうまくて
試合だけでも来てくれ……とキャプテンに言われていました。
彼女は、美人で、かわいくて。
でも、それだけのコでした。
彼女は、涼也たち映画部のメンバーをバカにしていました。
涼也は、体育のサッカーでは、チームメイトの足をひっぱる存在で
ヲタクくさいーい自主制作映画なんか作っていて。

宏樹は、美人の彼女のことを、それだけのコだと思うようになる。
そして、自分も。
なぜ野球に一生懸命になれなかったのか。ならなかったのか?
本気でやったとして、なんにもできない自分を知る事が1番怖かった~と。

涼也には、映画がありました。
大好きな映画の話をする友だちもいました。
体育で失敗して笑われても、女子に陰口たたかれても
「次はさ、どんなんやろっか」
どんな作品を作ろうか?……というこの言葉は、世界より大きな扉を開く呪文。
好きなことがあるって、そういう事なんだな~と嬉しくなった。

一生懸命好きなことに向かう涼也は、宏樹には、光り輝いて見えました。
ヒエラルキーの上とか下とか、カッコいい、ダサいとかそんなこと関係ない。
それぞれに本気で立ち向かえるなにかに、立ち向かっていく。
ダサくたって、カッコ悪くたって。

宏樹にも、そのなにかを見つけてほしいと思いました。
ひとりにひとつは、きっとある、本気で立ち向かうなにか……を。
桐島は、バレー部に戻るかもしれませんよね。
だからタイトルは、部活やめたってよ~ではないのかな~と。

「次はさ、どんなんやろっか」
そうだなぁ。てるひがいじめっこだった話をする?
それとも、大好きなデュオの話でもする?

この記事へのトラックバック