空はつながってる…『チョコレートと青い空』堀米 薫 そうえん社

知らないことが1番の敵。
故意に隠されてる事もあるけれど、知ろうとすることが大切だと思う。
久しぶりのblog。しかも、本の感想を書くの2年ぶり?もっとかもしれません。
2012年、小学校中学年の部課題図書に選ばれた『チョコレートと青い空』
読み終わった時に、空を見上げたい、無関心ではいられないと思った。
そんな1冊でした。

牛を育てる専業農家である周二の家に、ガーナ人の農業研修生がやってくる事になります。
農業の指導者を目指すエリックさんは、1か月間、農家にホームステイして、
研修の総仕上げをするのだそうです。
ガーナと聞いて、おとなのわたしも、チョコレートを連想してしまったのですが、
ガーナの人たちにとってのチョコレートは…

習慣も言葉も違う。エリックさんの滞在は、不安だらけ。
周二も、自分の部屋がとられてしまう事に、不満を禁じえませんでした。
背が高く、チョコレート色の肌のエリックさん。

ガーナと日本の言葉にいろいろな共通点を見つけたり、
雪だるまを作ってみたいというエリックさん。
やさしく、楽しいエリックさんに、妹のゆりも、周二もたちまちうちとけるのでした。

ガーナ人が1番大切にしているのは家族。
何曜日生まれの男の子(または女の子)をセカンドネームとするのだそうです。
周二もゆりも、自分の生まれたのが何曜日か…と、生まれた日の事を
お母さんに教えてもらいます。
自分の名前を呼ばれるたび、最初に戻れるって素敵だなぁと思いました。

勉強熱心なエリックさんに、お父さんも、改めて、自分がしてきた仕事のことを
見つめなおすきっかけができたと喜びます。
さまざまな問題をかかえながらも農業を続ける理由を問われ、
食べ物は命のもと。食を支えているという農民の誇りだと答えたお父さん。
仕事に誇りを持つ。すばらしいと思いました。

反抗期の兄、一樹は、最初はろこつに嫌な顔をしていましたが、
少しずつ態度がやわらかくなっていきます。
無視されようとも話しかける、やさしいエリックさんに、少しずつ心を開いてきたのでしょう。

「知らないことがいちばんの敵」の章は、すごく考えさせられました。
おとなであるわたしも、ガーナという国のことは、あまりよく知りません。
子どもたちが、学校にも行けずに働いているということ。
賃金がものすごく安いということ。
1日中、カカオを割って働いても、もらえるお金はものすごく少ない。
チョコレートは高級品で、ガーナの子どもたちの口に入ることはほとんどない。

子どもたちが学校に行けるように。
たくさん食べられるように。
エリックさんは、そのために、ガーナのために働きたいと言いました。
なんのために、どうしたいか…ビジョンを持ってるって素敵ですよね。
そして、そのために努力もしています。

一樹には夢がありました。農業とは別の夢です。
農家をつぐのか、つがないのか…
反抗期の一樹の気持ちを、自分もそんな時期を過ごしたエリックさんは
わかっているようでした。

親戚が亡くなり、お父さんとお母さんが、出かけなければならなくなります。
エリックさんと、一樹、周二で牛の世話をしなければならなくなりますが
一樹は、最後まで手伝いには来ませんでした。

一樹の夢をお父さんも知っていました。
周二にも、農業はあとつぎだからという気持ちではできない仕事だと言います。
周二は、まだ将来の夢を描けていませんが、いつかきっと…
誇りの持てる生き方、仕事をつかめるという確信を持つのでした。

この物語を読んでいたら、周二ではないけど、わたしも、チョコを食べるのが
申し訳なく思えてきちゃいました。
お母さんが買ってきた、フェア・トレードチョコ。
労働者に正当な賃金を払って育てたカカオだけを使って作ったチョコレート。
調べてみて、買ってみたいと思いましたが、秋冬製品のためほぼ売り切れ。
10月の入荷を待ちたいと思います。

エリックさんがガーナに帰る日の前日、一樹、周二たちに
日本とガーナはつながってると言います。
空がつながってるから!
同じ空の下で生きてる。
いつかガーナに来てくださいと、日本の家族に言うのでした。

エリックさんは、周二たちが学校に行ってる間に旅立ちます。
その後、雪が降る…
雪だるまを作りたいと言っていたエリックさん。
一樹はそのことを覚えていました。
そして。兄弟3人で夢中で雪だるまを作る。素敵なラストシーンでした。

この本を読んで、空がつながっているということをうれしく思い、
無関心が最大の敵であるということを痛感しました。
耳をふさがない。目をそむけない。
空はつながってるから、空が見ててくれるから、歩いていける。
いろいろ考えさせられた1冊でした。

最後に、このblogの話を。
ここには、ファン活動の事だけを書いていこうと思った時期もありました。
ナマモノレポは鮮度が命?わたしには、それはできません。
だから、1か月以上前のナマモノ感想を書く事もあります。
でも、迷って書かないでいるより、鮮度が落ちようが
書こうと思った事をなんでも、本のことや、旅やスイーツの事なども
気軽に書いていく方が自分らしいかな…と。

読んでみたいと思う記事が、もしあれば…
選んで読んでいただければ幸いです。

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