一度止まって考える「神様のカルテ」初日を見てきました。

カルテ。本来、患者に見せる事を目的に書かれてはいないカード。
神様は、何のため、誰のために、何の、誰のカルテを書いたのか…
櫻井翔くん主演で映画化された『神様のカルテ』。
あえて原作を読まないで、映画館に足を運びました。
初日舞台挨拶の模様を中心に、映画の感想を書こうと思います。
ネタバレしないで書く自信がありませんが、良かったら、ぜひ。

初日舞台挨拶付上演…と言っても、入ったのは初回ではなく2回め。
映画を見る前に、監督さんと出演者から映画についての思いを聞いてしまう
…と言う、スシ王子!の時と同じパターンですね(苦笑)

初回に入れた方は、桜の花びらを持って、劇場から出てきていました。
取材があったようですし、初回をご覧になった方は
写真撮影の背景役にもなったのでしょうね。

今回の席も、下手サイドブロックのはじっこで。
登壇者の表情はよく見えたけど、映画を見るのは、正直しんどい席でした。
目の前に、たくさんのスタッフさん。
下手側から出てきてくれるンだろうな~の期待通り、下手舞台袖から
櫻井くんを先頭に、出演者と監督が登場して、ステージセンタへ。

櫻井くんは、黒のジャケットに黒いボトム。スーツではなかった…かと。
濃紺?のネクタイに、やはり濃い青系のシャツを着ていました。
三年ほど…LIVEに行けてないので、ナマ櫻井くんは、久しぶりです。
カッコいいおとなになったよね。

『神様のカルテ』は、2010年本屋大賞で第2位に輝いた作品で
大賞発表後すぐに映画化が決まったのだそうですね。
櫻井くん主演で映画化されると聞いた時、まだ作品を読んでいなかったわたしは
先に映画を見よう…と心に決めたのでした。
原作のある映像作品が、原作を越える事はとても難しい事だからです。

インタビュアーが、櫻井くんに「はじめての医師役はいかがでしたか」と聞きました。
栗原一止は、神の手を持つスーパードクターではなく…
櫻井くんが演じたのは、消化器内科の医師でした。
夏目漱石と妻をこよなく愛する、ちょっとズレた、今風ではない青年医師。

心を救う医師というキャッチフレーズから、勝手に心療内科の先生なのかと
思ってたけど、違ってましたね。
心を救う。命を救うとはどういうことなんだろう。

栗原一止という役で、櫻井くんは新境地を拓いたと言われたようですが
敏腕スーパードクター、しかも悪徳…の方が驚くかも(笑)
いつの時代の話なの?…と思ってしまう、少しやぼったい一止役、
かなりハマっていたと思います。

この映画は、監督のお誕生日である9月9日にクランクインし
役2か月間にわたって撮影が行われたそうですね。
しんがりに登場した監督さんは、なに役のひと?
そう思ってしまうような、すらりとしたイケメンでした。

宮﨑あおいさんも、圧倒的な存在感を放つというよりも、
妖精のよう…と言うか、浮世離れしてると言うか…不思議なオーラを放つ女優さんだな~と思いました。

櫻井くん曰く、上手に睡眠をとるひとだそうで。
おふたりの楽屋(?)で、出番待ちをしている時に、長机につっぷして
ことんと寝てしまえる人なんだ…とか。
櫻井くんは、新聞を読んでいて、眠くなり、その上に顔をのせて寝ちゃって
しっかり、ほっぺたに文字移りしてしまい、タイヘンな事になった事も…
そんな話をしてくれました。

深川栄洋監督は、声が小さいそうで…
演者のかたわらに立って、演技指導(?)演じ方の話などをするそうで
役者本人にしか、その声が聞こえないから、
相手役のひとは、演技ではなく、素の反応をすることもある…ンだとか?

正直、いいなぁ~と思いました。深川さんの演出。
この作品に描かれるリアルとファンタジー。そこをどう橋渡しするか…
リアルとファンタジーの世界を行き来するのが、一止。
ファンタジー?はじめ首をかしげちゃったのですが、
現実とは、一止が勤務する、365日診療をかかげる病院で
夫妻と風変わりな住人の暮らす、古いアパートがファンタジー。
ファンタジー世界の住人は、死語を使うと、ピーターパン症候群の人たちかな。
描けなくなって久しい画家や、大学院生を語る青年。

わたしは、こっちの側の住人だね、まぢ。

一止は、大学病院での研修で、教授に認められます。
先進医療を習得、導入する事ができれば、たくさんの命が救えます。
それでも、助けられない命もある。
助けられない命を、どう救うか…
一止は、その名前の通り、立ち止まり、正しい事はなにかと考える。
治るみこみのないがん患者、安曇さんとの出会いが、立ち止まらせたんですね。

一止は、安曇さんの思い出のカステラを、妻に買わせ、持ってこさせます。
ハルが、ファンタジー世界から出てきちゃうんですよ。
正直「なんで?」と違和感を感じました。
ファンタジー世界の崩壊ですよね。

そう。大学院生を騙っていた学士殿も、父が亡くなり、出ていきます。
みんないつかは出て行かなければならない…
学士殿が出ていく朝、紙の桜吹雪を舞わせて、門出を祝います。
原作では印象的なシーンだそうですが、わたしには、ぽかん?でした。
初回取材の時の、小道具に桜の花びらを使うほどのシーンとは思えなくて。

でも。ばんざいには、泣けたかも。
学士殿が通った道は、みんなが通る道。
いつかは現実世界に出て行かなければならないのです。
原作を読んでみよう・・・

大学病院で内視鏡セミナーが開催される日は、安曇さんの誕生日でした。
最後に、安曇さんに故郷穂高を見せてあげよう
看護師たちが、安曇さんを屋上に連れて行くシーンに、一止はいないのです。
「セミナーに行ったんだね」
たくさんの命を救う事を学ぶために…と、そうだよね…となっとくするわたし。
でも、彼は行かないのです。少し遅れて、屋上にくるの。
それを見て、がっかりした。
やっぱり行かなかったのか…と。
裏切られて嬉しかったのに、裏切られてなかったんだから、2度裏切られた感じ?

ハルが2度も病院(リアル)に現れた謎ときもありましたね。
ちょっとがっかりしたけど、すとんと落ちた。
家族が増える事になった。
ファンタジー世界の、ほんとうの終焉、リアルとの融合…かな?

立ち止まって考える。
自分はどうしたいのか…どう生きたいのか…
この映画を見て、もう1度、考えようと思いました。
止まる事は、終わりにする事ではない。
正しい道へと進むためなんですよね。

『神様のカルテ』映画として、おもしろいかどうか…正直わからないです。
でも、作品としてはおもしろいと思いました。
迷ってる方は、映画でも本でも、その世界にふれてみてはいかがでしょうか。

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