自分の心に正直に生きるために ZORRO THE MUSICAL

時のように気高く生き、
命を鳴らしてステップを踏む…
自由を手に入れるため、そして、仲間のために。
2月19日、坂本昌行くん主演の「ZORRO THE MUSICAL」を見てきました。
思いが歌になり、手をたたき、踊りになる。それは、生きているから・・・

公式HPを見る事も、ネタばれを読むこともせずに参加してきました。
坂本くんが、オーディションで手にしたと言うZORRO。
盗賊の役でしょ?…と思って、見に行ったら、ちょっと違っていました。
坂本くんが演じたZORROは、奪われた故郷の平和と愛を奪い返す…のだから
盗賊っちゃ盗賊?

時のように気高く生きるジプシーたちの登場に、興奮しました。
愛を歌い、生きていることを打ちならす。
こんなすごい席で見させてもらっていいの?…と恐縮しちゃう席での観劇でした。
真後ろの通路(?)で、フラメンコギタリストが、命をかきならしてるんだもの。

カリフォルニアがスペインの統治下だった時代に現れた英雄の話です。
現在も、ジプシーたちの間に語り継がれるヒーロー。その名はZORRO。
長老が、仲間に語る…と言うカタチで物語は始まります。

誰からも愛されるディエゴと、正しいと思う事を貫こうとするラモン。
なぜかわからないけど…愛されキャラっているんだよね~
ディエゴの父は、親のいないラモンを、ディエゴ同様に愛していました。

ディエゴがなぜ…故郷の村を離れたのか~は、?ですが
スペインのジプシーの仲間となって、芸を披露しながら暮らしていました。
長老の娘イネスに惚れられてる(笑)
イネスは、自由と家族(仲間)を愛する、炎のような女性でした。

そんなディエゴを訪ねて、幼なじみのルイサがスペインにやってきます。
兄であり親友であるラモンが、父を亡きものにして、暴君となり、
村人たちを苦しめている。ラモンを止めてほしい…と。

信じられないディエゴでしたが、家族だから一緒に行く…と言うイネスたちと
船に乗り、カリフォルニアへ。 

ラモンは、かわいそうな男です。
誰も信じられず、恐怖を与える事でしか民衆をおさえられない。人望もない。
圧政に苦しむ民たちが、その苦しみも歌になり、地面を踏みしめ、踊りだす。
てるひの知るフラメンコは、生の喜びばかりでしたが
生きたい!…と言う気持ちをステップにこめる。。。迫力がありました。

ディエゴは、仮面をかぶる事を選びます。
そして「ZORRO」を名乗ります。キツネと言う意味の。。。

顔を隠さなければならなかったのはなんでだろ?
ずっとひっかかってる。
元の話の怪傑ZORROは盗賊だから、わかるけど
兄が…民を苦しめている事が信じられないから?
どんなに暴君であったとしても…倒すべき相手は、愛する兄だから?

素顔を隠すことで、愛する兄に正義の剣をふるうことを選んたZORRO。
それと同時に、ふぬけを演じるため、おかまちゃんのふりまでして。。。

時のように気高きジプシー。
時は止まる事はなくて、流れ続ける。
自由を手に入れるためには、覚悟がいる。。。
イネスは、それを、わたしたちに教えてくれます。

暴君ラモンに逆らえず、先鋒役をつとめるガルシア軍曹も、イネスに魅せられ、
自由に、自分の心に正直に生きたいと思うようになっていきます。
イネスこそが、この物語のほんとうの主役って気がしました。

自由を手に入れる事は簡単なことじゃない。
自分の心に正直に生きる事も…

ラモンも、いたずらに民を苦しめたかったわけじゃないんだと思います。
誰かに…自分が愛している誰かに愛されたかっただけじゃないかな。
だから、無理やり、ルイサを妻にしようとしたり…

ジプシーの長老、イネスの父の、ディエゴに発した予言的な言葉
「娘にもしもの事があったら、ただじゃおかない。。。」
わたし、このやりとり、いらんと思いました。
イネスの情熱は、統治者には、とっても危険な、焼きつくす炎ですからね。
彼女の運命は、見えていましたから。

ディエゴの父は死んではいませんでした。
ラモンによって地下牢に幽閉されていたのです。

イネスに好意を寄せていたガルシア軍曹は、彼女を失ってやっと。。。
自分の心に正直に行動をします。
ZORROに、父が生きていることを教え、救出の手助けをするのです。

ラモンの言う事を聞き、妻となる覚悟をしたルイサ。
侍女たち(?)の手で、1枚、1枚、花嫁衣装を身につけさせられていく様が
なんとも悲しかったです…
最後に、子どものころに、ディエゴにもらった石も取り上げられて。。。

生還したディエゴの父、ドン・アレハンドロを見て、ラモンの部下たちも
ラモンから離れ、アレハンドロ陣営に寝返ります。
孤立したラモンと、ZORROとの最後の対決の時がきます。
その正体を知ったラモンは、自らの体を、ZORROに投げ出すのでした。

ラモンがディエゴと相対した時、ラモンは背中を観客の方に向けるんですよね。
背中の後ろに剣を隠し持っているのが、わたしたちに見せつけます。
ディエゴを刺す?
そうじゃないんだよね…刺させるんだよね。
ラモンは、憎むほどに愛していた弟に刺されて、幸せだったんじゃないかな。

みんなに愛される君主が戻り、圧政をしいた男はいなくなる。
ラモンは、罪をつぐなうべきだったけど、それは、命でつぐなうものだったのか…
イネスの死も、彼女の生き方から予想されるものではあったけど
てるひには、受け入れがたいものでした。

幕が下りて。
カーテンコールのフラメンコは、生を喜び、愛に歓喜する素晴らしい踊りでした。
本編の中では、ジプシーたちが、喜びの踊りを披露するシーンもありましたが
圧政に苦しむ民のステップの方が、重苦しいだけに、
舞台の流れに、重くのしかかっていましたからね。

ZORROは、なにをマスクで隠していたのか…
ちらしには、熱い心を…とありました。
でも、てるひは、涙だったんじゃないかな~と思いました。
人を斬る。愛していた人を斬ると言うことは、それだけ覚悟のいる事ですから。

ゾロ ザ・ミュージカル。1幕終わった直後、もう1度見たい!と叫んじゃいました。
ただ…楽までに時間がなくて。
来年以降の再演を期待したいと思います。

自分の心に正直に生きたいと願うひとに、ぜひ見ていただきたい作品です。

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