自分を見つめる場所『華花さんのあたらしい家』田中 良子

好きなことを見つけないと、もったいないよ
好きなこと?てるひの好きなことは、泣くこと、寝ること、お散歩。
でも、どれも人間に生まれなくてもできたかもしれないな。
自分を見つめることは、そこに行かなくても、できますか?
『華花さんのあたらしい家』田中良子 作 三村久美子 絵 ポプラ社 2009.9

まやのことを、ママよりわかってくれるおばあちゃんが、
ひとりでおひっこしをしてしまった……!
まやの心のなかにたくさんの言葉をのこして
そう…この本の帯に書かれていました。
名前からは、華花さんの年齢も、表紙のイラストに描かれた、水色のワンピースの少女との関係もわかりません。
ひとりでおひっこしをしてしまったおばあちゃんが、華花さんだけど
帯に書く必要があったのかな?~と考えてしまう。

まやは小学4年生。パパと離婚したママと、ママとお母さんの華花さんの家の離れに住んでいます。
ママは仕事が忙しいので、ご飯もおやつも、お話するのも、華花さん。
その華花さんが、ひとりで、ひっこしをすると言うのです。
人生、最後から2番めのひっこし先は、ホスピス。
最後から”2番め”と言うのが、わたしには、すごくひっかかりました。

華花さんの素敵なところの一つは、まやと同じ目線で話すこと。
病気が見つかったので、自分を見つめる場所にひっこすと言うのです。
怖い病気ですが、学校の先生は、手術をして元気になった。
でも、華花さんは、しない…という。

そうして。華花さんのいない生活が始まりました。
3年生まで仲良しだった友だちから、いじめられて帰っても、家ではひとりぼっち。華花さんのいないリビングは、とっても広い…
わたしもそのひとりですが、女子って群れたがるもの。
少し毛色の違う子は、排除されるか、同化させられるか…
ふたりからいじめられていたまやのことを、気丈で、誰とも群れたりしない、
亜麻里ちゃんが助けてくれます。
それから、ふたりは、いろんな話をするようになってきました。

この本のすごいところ、ほとんどの登場人物が女性だということです。
パパの影はなく、おじいちゃんも、理由はわからないけど、いません。
まやを助けるのも、ジャンヌダルクのような少女。
息苦しささえ覚えます。

華花さんの新しい家に遊びに行ったまやに、こんな話をしてくれます。
もしかすると、ぶたさんに生まれていたかもしれないけれど、
神さまは、まやなら、きっと輝けるはずだからと、人間にしてくれた。
せっかく人間に生まれてきたのだから
好きなこと見つけなきゃ もったいないよ。
せっかく人間に生まれてきたのだから!
衝撃でした。生まれた事をあたりまえだと思ってた…

華花さんは、まやがピアノを習いたいと言った時に、すごく喜びました。
まやが、好きなことを見つけた…と思ったからですよね。

華花さんは、ピアノの音色が大好きで、まやに談話室のピアノを弾いてほしいとねだりますが、ずっと弾いてないから…とまやは拒むのです。
ピアノ聞き、一緒に歌う入所者のみなさんは、元気をもらった…と
自分と真剣に向き合おうと、改めて思うようになっていく。
まやは、その日から、ピアノの猛練習を始めるのです。
そして…

華花さんは、花や植物が大好きで、特に木に咲く花が好きで、
庭にいろいろな木を植えていました。
華花さんが作るイチジクのワイン煮なるものが、ものすごくおいしそうでした。
公園や鉄道路線にも、植物の名前をつけていました。
紅葉公園とかふよう線とか…
すごく素敵じゃないですか?華花さんと一緒に、いろんな場所やモノに
名前をつけてみたいな~と思いました。

自分を見つめる場所…わたしにもありました!
明日晴れたら、久しぶりに行ってみようかな。

久しぶりに本の感想を書いてみました。
本の記事は少ないのに、検索してきてくださるのか、古い記事をお読みいただいたり、ブログ気持玉を押してくださる方もいらっしゃって。ほんとうに嬉しいです。
どうもありがとうございます。

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