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help リーダーに追加 RSS クレヨンの匂いにうっとりする『みなみちゃん・こみなみちゃん』

<<   作成日時 : 2006/03/25 10:55   >>

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絵に書いた女の子の目が、くるんと動き、話しを始める。
ソンナコト、ありえない?そうかな?
吸血鬼もサンタも、誰も信じなくなった瞬間、この世の中から消えてしまう。
絵に書かれた女の子が話すのも、コウイチが墓場から戻ってくるのも
信じる人がいる限り、ありなのだ。
みなみちゃん・こみなみちゃん 石井睦美 作 吉田奈美 絵 ポプラ社 2005

みなみちゃんは、もうすぐ幼稚園に入ります。
弟のそうたが生まれてからは、ママは、そうくんに忙しくて。
おままごともしてくれないし、絵本もあんまり読んでくれません。
みなみちゃんは、おとうさんにおねだりして
厚くて、赤い表紙のお絵かき帳を買ってもらいます。
おとうさんは「おまけ」と言って、24色のクレヨンも買ってくれました。

新しいクレヨンのにおいに、
みなみちゃんも、てるひも、うっとり。
次の日。みなみちゃんは、お絵かきをします。古いクレヨンを使って。
新しいクレヨンは、使っちゃうと、新しいクレヨンじゃなくなっちゃう。
みなみちゃんは、新しいクレヨンが大好きだから、使わないンだって。
この気持ち。ちょっとわかる。
でも。ほんとうに、そう?

みなみちゃんは、今までのはだ色のクレヨンで顔を。
目、まゆ、口、髪、くび。それから、ピンクでお洋服を書こうとしたら
絵の中の女の子が、いきなり「だめぇ」とさけびました。
女の子は「こみなみちゃん」と名乗り、赤いセーターが着たいと言います。
みなみちゃんが、ちびた赤いクレヨンを取ろうとすると
「わたしに古いお洋服を着せるつもり?」とこみなみちゃん。
そこで。新しいクレヨンで、セーターと紺色のを書いてあげることに・・・
「ああ、いいにおい。新しいお洋服のにおいだわ」

次の日。みなみちゃんは、また、こみなみちゃんを描きます。
目を書くと、目がくるんと動き、口を書くと、ニッとわらったような気がする。
でも。洋服を描こうと思って、困ってしまう。
使ってない赤のクレヨンは、もうないから、古いセーターしか描けません。
と。こみなみちゃんは、同じセーターだから、一緒のクレヨンでいいのよ
。。。って言うのです。ここ、おもしろいですよね。

好きな服は、何度もお洗濯して、着ますよね。
だから。古くても、色が混ざったりしていない、
キレイなクレヨンで描いてくれたら、それでイイんですって。

おかあさんがおやつを食べようと言います。プリンです。
自分だけが、プリンを食べるわけにはいきません。
みなみちゃんは、こみなみちゃんのために、プリンを描いてあげます。
新しい方のクレヨンで。

こみなみちゃんは、スプーンとお皿がないと食べられないと言います。
ここも、またおもしろいのですが・・・
お皿などの食器は、新品じゃなくても、清潔ならイイのよ
そう。よごれていなければ、古いクレヨンで描いてもかまわないって。

こみなみちゃんは、プリンをきれいに食べてしまいます。
「食べ終わったプリンの絵を描くなんて、おもしろいわね」
おかあさんは、絵の中の女の子が食べた…とは、思わないんですね。
おとなって。つまらないなぁって思いました。
絵の中の女の子、こみなみちゃんが話すこともあるかもしれない。
そんなふうに、思えなくなっちゃってるなんて。

みなみちゃんは、幼稚園に入園します。
もう。好きな時に、こみなみちゃんと遊ぶことはできません。
お友だちもできないし、幼稚園はおもしろくない・・・
お絵描きの時間に、こみなみちゃんを描いたことから
新しいお友だちができます。ひさかちゃんです。
「ひさかちゃん、こんにちは」
こみなみちゃんが、ひさかちゃんにもごあいさつして。
それから。3人いっしょに、なかよく遊ぶ・・・で。おしまい。

こみなみちゃんは、みなみちゃんの願望。
新しいクレヨンも、ほんとうは、すぐに、思いっきり使いたいし
お洋服も、ほんとは赤のセーターも着てみたい。
弟が生まれてから、おかあさんがあんまり遊んでくれなくて、つまらない。
「小さくてかわいい女の子でも、赤ん坊にはかなわないのよ」
・・・とこみなみちゃんは、言います。あきらめろ・・・と?

でも・・・みなみちゃんは、イイ子なんです。
おかあさんに反抗したり、わたしのように登園拒否児になったりはしない。
石井氏は、破綻のない家庭を破綻のない流れるような文体で表現する。
みなみちゃんは3歳か4歳ですが、
同じ年頃の子が、この本をおもしろいと思うかな? びみょうです。
おとなのわたしは、おとなになっちゃう悲しさを感じました。
こみなみちゃんは言いました。
「おとなをおどろかすものじゃないのよ」
そう。話をする女の子が、この世から消えないためにも。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
てるひさん、こんにちはー♪

>みなみちゃんは、イイ子なんです。
みなみちゃんはいい子なのですよね♪
イイ子でいようとしている普通の子なのですね♪

>おかあさんに反抗したり、わたしのように
>登園拒否児になったりはしない。
そうなのですか♪(ノ゚听)ノえ?!
自分を見ていて欲しいと純粋に願う
子供心なんですね♪

>破綻のない家庭を
>破綻のない流れるような文体で表現する。
なんとなく、てるひさんの凄みを
感じる記述でしたよ♪(気を悪くしないでね)
yozoblog
URL
2006/03/25 17:21
てるひさん、こんばんは♪\(o⌒∇⌒o)/
まゆびは大学時代のゼミが児童文学についての研究で、(研究といってもほとんど詳しいことはやりませんでしたけどね。)大人になってから絵本を読む機会がありました。子供の頃に読んだことのある本はほとんど全てがイメージの違うものに感じられました。思い違いもあるし、子供の柔軟な考え方で捉えている部分もありました。これ以来児童文学を読み直すことに興味をおぼえたのですが、残念ながら時間もなく終わっています。
このお話初めて知りましたが、確かに大人の目線で書かれているような気もしますね。子供が読んで面白いかなぁ?とまゆびも思います。まゆびは読んでみたいですけど!!(゚-゚*)(。。*)ウンウン
まゆび
URL
2006/03/25 19:25
yozoさん、こんばんは。
ずっと。わたしにとっては、いい子。もいいひと。も魅力的じゃないっていう意味でした。
最近の小説もドラマも、崩壊した家庭や、いじめなど、そんな人物やシーンばかりが描かれているけど、この作者の本は安心して読めるんです。
それがイイかどうか、好きか嫌いか別れるところでしょうね。
エラソーなこと書いちゃいました。すいません
てるひ
2006/03/26 00:07
まゆびさん、チョットびっくりしました♪
子どもの本に関して、語り合いたいかも(笑)
すぐれた児童文学って。その作品を読む年齢によって、いろいろな受け取りかたができるし、登場人物との関わり方も、変わってきますよね。
おとなになって。初めて良さがわかる作品もあれば、つまらないって思う本もあるだろうし。
わたしにとって。そんな作品のひとつが、この夏、アニメ化されるの。納得がいかない気持ちでいっぱいなので、いつか記事にしようと思ってます。
これからは。本のレビューは、児童書が多くなりそうかも・・・です。
まゆびさんの絵本や児童書のレビューも読みたいです(勝手なコト書いて、ごめんなさい)
てるひ
2006/03/26 00:25

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